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蓮生754回忌

おかげさまで、蓮生法師754回忌 無事に終える事ができました。

一年に一度の法要につき
毎年、違った形で執り行ってます

本年の試みをいくつか。

1000年近く前、西方寺開基の蓮生さんの時代は電気はなく。
その時代に少しでも思いを馳せる時になればと
照明を使わず、ほぼ蝋燭の明かりにしぼり、時のゆらぎ、場のゆらぎを、より表すために、
和蝋燭を本尊前に灯しました。
燭台のみで、経本が読めるのか心配しましたが、案外いけるもので。
*後に、参拝者の方に「(私達)普段から電気使いすぎやなぁ、と思いました」という感想を頂きました。

雅楽の笛、龍笛の「乱声」で二人の式衆が入堂。
龍笛は、天と地を往来する龍を表します。
その二人の日本の歌の源流ともいわれる聲明、「衆罪伽陀」を詠じる間に導師入堂し、
般若心経、開基蓮生法師の疏を読み上げました。

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*赤松氏 自筆の差上(プログラム)あまりの流麗さに、記念に頂く。

導師が退堂し、白拍子が入堂する間には
鳳凰を模した雅楽の笙という楽器の二管吹きで「平調調子」
笙の音色は、天から射しこむ光を表すと言われています。

さらに照明を落として、井上さんの白拍子舞と赤松、法住寺住職による今様。
梁塵秘抄から3首。蓮生法師和歌から2首 浄土和讃も加え歌って頂きました。

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蓮生法師和歌などで歌われた今様は、法住寺前住の作曲で
普段は歌のみですが、和田氏に笙で音を付けて頂き
白拍子舞のソロにも、和田氏が独自に作曲してくれました。

後で、DVDを見直してみて、
知人が「清盛の世界をみせてもらったわ」と言われたのも、
当日は、ほんまかいな!、などと思いましたが少し納得しました。

もともと、白拍子に舞って頂くということで
宗祖の法然上人が言われた

「(遊女の)仕事はできることならやめるべきですが
今の稼業のままでも、南無阿弥陀仏と唱えたら、浄土に往生できますよ」

という話を入れて欲しい、とのリクエストをしていたので
それが白拍子の「語り」に入り
蓮生法師の歌も、希望で井上女史に選歌して頂きました。

 さてもまた忍ばむとこそ思ひつれたが 心よりおつる涙ぞ 『万代集』

 いかにせむ身に七十路の過ぎにしを 昨日を思へば今日も暮れぬる 『続古今和歌集』

恋歌と老いを歌った、人間らしい歌の二首。

恋の歌も老いの歌も、当時の人の思いは、今の人にも変わることなく
人の営みが続き、現在の私達も、欲ごと流れ去って行くような気がします。

身分の低い人も高い人も、最後は懺悔し念仏して往生する願いを込めて

 一心敬礼声澄みて 十方浄土に隔てなし 
    第二第三数ごとに 六根罪障罪滅す 『梁塵秘抄』

の後に念仏と、越天楽の節で以下の歌を歌い、法要を終えました。

 弥陀の名号となへつつ 信心まことにうるひとは 憶念の心つねにして仏恩報ずるおもひあり

 ほとけも昔は人なりき われらも終にはほとけなり 三身仏性具せる身と 知らざりけるこそあわれなれ
by munehito_miwa | 2012-11-19 14:03 | 自坊行事
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